
変形性股関節症の治療法には大きく分けて2種類あり、ひとつが手術療法、そしてもうひとつが保存療法だというお話を前回致しました。そして、保存療法は、更にいくつかに分けることができ、理学療法、薬物療法、体重コントロール、負荷を減らすためのセルフコントロール等に分けられるというお話を致しました。
今回は、それらの保存療法について詳しく見て行きましょう。
先ず、保存療法で最もよく用いられるのが理学療法になります。理学療法は、更に運動療法や温熱療法などに分けることができます。運動療法とは、筋力トレーニングやストレッチ、ウォーキングやプールでの水中運動などによる治療のことです
トレーニングでは、筋肉の中でも特に大殿筋や中殿筋などのお尻の筋肉の強化が図られます。これらのトレーニングは原則として毎日行われます。運動療法の効果としては、筋力の維持や拘縮の改善、関節の血行改善、股関節の変形の抑制や、痛みや跛行などの改善が期待できます。
温熱療法とは、痛みを感じる部位にホットパックや赤外線、超音波などを当てて暖める療法です。この療法によって、股関節やその周辺の組織のこわばり緩和や、血行促進などが期待でき、その結果、痛みを和らげることができます。
次に、体重コントロールについて見て行きたいと思います。体重コントロールとは、その名の通り体重をコントロールすることですが、減らすが目的とされます。体重の3~10倍の負荷が股関節にかかるため、余分な体重はできるだけ減らすことが必要です。体重を減らす手段には、食事療法や運動療法などが組み合わせて用いられます。
次に負荷を減らすためのセルフコントロールについて見て行きましょう。負荷を減らすためのセルフコントロールには、杖の使用や、補高靴などによる履き物の調整、痛みが出た時には安静を図る、工夫して痛みを避けるような動作をするなどが挙げられます。
最後に、薬物療法について見て行きましょう。薬物療法の目的は痛みを鎮めることです。一時的に痛みを鎮めることはできますが、常用することで進行がわからなくなるというデメリットがありますので、長期間に渡る常用は避けるようにしましょう。
あくまでも、急性期の痛みや進行期、末期の強い痛みが出る時に用います。処方される薬には、非ステロイド系の内服薬や外用薬、坐薬などが挙げられます。外用薬には、軟膏やクリーム、ローション、湿布剤などが挙げられます。
変形性股関節症の治療の治療法には大きく分けますと、2種類あります。1つが保存療法、そしてもうひとつが手術療法です。そして、これら2つの療法は更にいくつかに分けられます。
保存療法は、理学療法、薬物療法、体重コントロール、負荷を減らすためのセルフコントロールなどに分けられます。手術療法は、関節温存手術、そして、人工置換手術の2つに分けられます。
手術をしなくても済むならしない方が良いですよね。比較的軽い段階では保存療法が用いられ、保存療法を施してみても症状が改善しない場合には手術療法が用いられることになります。
ただ、手術療法を行うことになったり手術療法を実際に行ったら保存療法はもう必要ないかと言えばそうではなく、変形性股関節症の進行を遅らせるためや人口関節を長持ちさせる等のために保存療法の併用も必要となります。
つまり、変形性股関節症の治療の基本には保存療法は欠かせないということになります。次回は、保存療法について、具体的な説明に入りたいと思います。